韮あなたは月くんの扱い方をまったくわかっていません
何かいいたそうな韮を鋭く一睨みすると
得るは床にぐったりを横たわる月タンをお姫様だっこして連れて行くのであったφ(´ロ`)
独房の隅に設けられたスピーカーから呼びかけられ
二アは不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「なんなんですか。邪魔しないでください。」
「すみません二ア、あの方がどうしてもそちらへ行くとおっしゃったので。」
死んだようにぐったりと床に横たわる月の体内から、二アはずるりと自身を引き抜く。
ぺたぺたと近づく足音を月は夢うつつに聞いていた。
毎日休みなく尋問と陵辱が繰り返されるこの小さい四角い独房に
およそ似つかわしくない滑稽な音は何故かひどく懐かしい。
しかし朦朧とした頭では記憶を手繰り寄せることすらできない。
二アの拗ねたような声と、もうひとつの声が軽い口論を行き交わせ、
二アの声がやがて聞こえなくなった。
誰かが覆いかぶさるような気配がする。
ああ、また犯されるのかと月はぼんやり思った。
しかし覆いかぶさった気配に月を乱暴に扱う気配は無い。
首の後に腕がまわされ、膝をそろえて抱え上げられる。
自然にその気配の持ち主の胸元に頭を預ける形になった。
頬にあたる布の感触を月は知っているような気がした。