「や、やめろ!何するんだ!」
それは異質な光景であった。
スーツを中途半端に剥かれた体が、男の目に晒されている。
手足は逃げられぬようにネクタイで拘束されていた。
「こんなことをして…ただですむと思っているのか?!」
色素の薄い髪。その間から鋭い瞳を覗かせ、自由を奪われた人物、夜神月は叫ぶ。
「目上の者に対しては、敬語を使うと言うことを教わらなかったのかね?」
言いながら、その男は月の股間を軽く踏みつけ刺激を与えた。
「ッ…」
同じ男に股間を踏まれ、感じてしまう…そんな屈辱的な快感に、歯を悔い縛り耐える。
僅かに肌を紅く染める月の瞳は、鋭いながらもうるんでいた。
そんな姿に、男が耐えられる訳もなく…
飢えた獣のように、月の体にしゃぶりついた。
「あっ…く…」
四年の月日が流れたといっても、体は男から受ける快感を覚えている。
以前Lの手により、男同志の行為を覚え込まされていた体は、簡単に反応していた。
そんな自分が嫌で、月は歯をくいしばり、固く瞳を閉じようとするが、それは叶えられなかった。
唇に男の赤黒いモノが当てられたのだ。
「うぅ…」
決して綺麗とは言えない、汚れたソレ。
思わず噛みつこうとしたその時、男が耳元で囁く。
『進展を見せないキラ捜査を理由に、今すぐ夜神総一郎をクビにしてもいいんだぞ』と……
―父さんがクビになったら、サユは…。
大学生のサユ。
数学が苦手だった妹は、あの大学に入るため死にものぐるいで勉強していた。
『自分の夢を叶えるためには、絶対にあそこじゃなきゃダメなの!』
━━もし今、父さんが職を失ったら?
当然、自分の給料だけで家族に楽をさせてやることは出来ない。
ましてやサユは優しい子だ。
経済的に苦しい状況をまのあたりにしたら、苦労して入った大学を辞めると言い出すかもしれない。
……
………
父さんをクビにさせる訳にはいかない。
月は吐気を我慢し、懸命に奉仕する。
手は使えないので、舌で裏筋を舐めあげ、先端を刺激しながらきつく吸う。
限界が近付くと男は、月の髪を掴み、喉奥に欲望を放った。
「━━ッ!!ゴホッ」
飲みきれない液体を床に吐き出す。
「吐き出すなんてもったいない事を。床も汚して…綺麗に舐めなさい。」
そう言い放つと男は、月の蕾に濡れた指を突き入れた。
━屈辱だ!!
猫のように、床に散らばる白濁を舐める。
溢れる涙が止まらない。
「ひゃ!!」
悪感しか感じなかった体内に、電気のような快感が走る。
「ココが君の良い所かい?」
「や、やめッふぁ…あ…」
指が増やされる。
前立線ばかりを攻めていた男の指は、いつしかそこをかすめるようになり、決定的な快感を与えられない。
蕾はヒクつき、指では足りないと訴える。
「…コレが欲しいかね?」
言われ、当てがわれた熱い肉の塊。
月の意思を無視して、自然に腰が揺れる。
「…言いなさい。入れて下さいと。」
きつく、自信を握られる。
…なけなしの理性が、崩れさった。
「い…れて‥下さ…」
言い終わると同時に、激しく突かれる。
初めは痛みを感じた体も、揺さぶられ、イイ所を突かれるうち、快感しか感じなくなる。
月は未だ床に残る液体に躊躇いもなく顔の半分を押し付け、与えられる快感にあえいだ。
バシャバシャ━━
頬に残る液体を洗い流す。
運良く、トイレには誰も居なかった。
━くそ!!!
『また相手を頼むよ?夜神君。』
男の言葉を思い出す。
「『また』だと?ふざけるな!!…殺してやる……ククク…アハハハ━━」
人知れず、その笑い声は響いていた━。
END